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『時載りリンネ!』5巻の感想レビュー(ライトノベル)

時載りリンネ!5 明日のスケッチ


角川スニーカー文庫のラノベ、『時載りリンネ!5 明日のスケッチ』(清野静先生原作、古夏からす先生イラスト)が発売中です。

表紙はヒロインのリンネ。
アトリエ風の背景は、本編で絵のモデルを依頼されることに関連したチョイスなのでしょう。
少しすました表情がいかにも、な感じですね。

お話的には、序盤でリンネや久高をはじめとした周囲の人物達との日常生活をほのぼのと描いた後、“最強の時砕き”未到ハルナや久々に大活躍の“じいちゃん”こと南涯との再会を通じて『時砕き』と、リンネの父親である『剣介』というふたつの重要なファクターに対して進展が訪れる…といった展開です。

全体を通じて、ハルナとじいちゃんを中心に、各キャラクターの性格や設定面での掘り下げに力が入っているのが印象的でした。

巻数を重ねる都度、それぞれのキャラ達の能力や嗜好等については少しずつ語られてきていたわけですが、時砕きとして成長を続けるリンネは、いよいよ新たな局面を迎えつつあり、その前にそれぞれの立ち位置を再確認する意味でも必要だったのではないかと思います。

物語の描き手である久高の、リンネを温かく見守る&たまにそのかわいらしさに赤面してしまう様子も相変わらずでニヤニヤです。
完全な恋になる前の、淡い想いの成分みたいなものが感じられる様子が微笑ましく、思春期を間近に控えた微妙な年齢らしさが、どこかノスタルジックな雰囲気を感じさせてくれる気がしました。

ライトノベルの括りになってはいるものの、感覚的には“わくわく感がいっぱいの児童文学”といった感じで、このまま夏の読書感想文コンクールの課題図書として選ばれても不思議ではないくらいの出来映えだと個人的に思います。

美しい日本語とはこんな感じではないか?と思ってしまうような、流麗な文章には毎回テンションが上がります。
あくまで個人的な体感ですが、字数に対する漢字の密度もやや多めで、少し難しめな言い回しや比喩がバンバン入ってくるにもかかわらず、読み始めると流水のように心に染み渡っていくような感じは、この作品独特の持ち味だと言えると思います。

少し背伸びをして読むような、読後にちょっと頭が良くなった様な気持ちになれる作品であることが、児童文学らしさを感じさせる要因となっているのかも知れませんね。

話が少し逸れたので本編に戻すと、新キャラである時載りの画家親娘との出会いが、リンネにどんな影響を与えるのかも見所です。

特に今まで年上、もしくは同年代のキャラとの出会いが多かったリンネにとって、年下の少女との関わりからどの様な成長へと繋がるのか?という部分は見せ方が上手かったと思います。

成長と言えば、ハルナ(最強伝説は鳥肌もの!)との修行シーンも必見です。
(*^-^)b
少女との出会いを心の成長と捉えるなら、こちらは純粋な時砕きとしての成長と、覚悟の証明とも言えるかと。

温かな仲間達の助力と、良き師の教えと、自身の決意が合わさった結果、リンネが一回りも二回りも大きく、新たなステージへと羽ばたいていく様子は熱かったです。

また、エピローグ部分の締め方も非常に感動的でした。
明日のスケッチというサブタイトルは、まさにこの場面の為にあったのだと思えるくらい、綺麗に繋げてくる辺りは見事でした。
少し教訓めいた部分もありますが、人の善意の温かさや、いつでも前を見続けようとするその姿勢が胸を打ち、思わず目頭が熱くなってしまいました。
(T_T)

ある意味、ここからが第2部だと言っても良いような、今後の展開が楽しみな、大満足な仕上がりでした。

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