
角川スニーカー文庫のラノベ、『ガジェット 無限舞台 BLACK&WHITE』(九重一木先生原作、植田亮先生イラスト)が発売中です。
表紙は本作品のメインヒロインである真白と黒乃。
性格的にも身体の一部の大きさww的にも対称的な2人ですが、キャラの立て方がハッキリしていてそれぞれ魅力的です。
華のある表紙イラストを見てジャケ買いされた方も多いかも知れませんね。
第13回スニーカー大賞の優秀賞を受賞した作品として話題の本作ですが、独創的な世界観を構築しきった文章力が見事で、受賞したのも肯ける内容でした。
最強Wヒロインというキャッチコピーがついていますが、実は2人とも普通の人間とは異なった存在です。
この世は“夢を見続ける神”(ラガジュ=ディア=レルガゾライ)の夢であり、真白はその神の為にある役目を果たす“端末”(ガジェット)と呼ばれる存在の1人。
双子の妹である黒乃は、真白にバグが発生した時にそれを正す『補正プログラム』。
設定だけを見ると、少しややこしそうな印象を受けられるかも知れませんが、その内容と主人公翔の担うことになった役目等については、冒頭で十分に語られているので安心です。
(*^-^)b
肝となる設定の役割にあわせて、個性的なヒロイン達が上手くポジショニングされていて、お互いがお互いの良さを伸ばしあう感じが見事でした。
危うく保たれた世界のバランスと、そんな世界を存続させるためにのみ生かされ続けるガジェット達の悲哀。
翔との出会いによって『バグ』を抱えることになった真白はその中でも異端の存在ですし、その『バグ』が発生して初めて、黒乃は生み出された…と、かなりシリアス&切ない系のストーリーになっているのが特徴的でした。
翔が得た特殊能力“傷”(ペイン)がどの様に使用されるのかも大きな見所です。
いきなり超パワー発動!という感じにはならず、未知の力に対する不安や恐怖に身を苛まれつつも、物語の渦中へと巻き込まれていく様子にハラハラと引き込まれました。
派手なバトルアクションで迎え撃つというよりは、圧倒的な力を持つ敵対者達から、なんとか逃げたり、身を守ったりしようとする場面が多い印象でした。
自分自身が戦いを望まずとも、舞台の役者よろしく戦わざるを得ないというシチュエーション自体も切ないものがありますね。
また、前半では“日本一包容力のある小学生”ことサブヒロインのリトの存在が、日常シーンやラブコメパートのアクセントになっており、うまくバランスが取れているのも良かったです。
基本天然でぽわぽわしているものの、想いの強さには芯が通っている真白は、愛しさの象徴のように。
存在理由自体がはかなさを持ちながらも、真白を守るために強気に頑張るツンデレ黒乃は、切なさの象徴のように。
今までもずっと「お兄ちゃん」を慕い、甲斐甲斐しく世話を焼き続けてきたリトは、優しさの象徴のように。
先に三者三様の魅力が描かれていた事が読者的にニヤニヤなのに加え、そこでヒロイン達と触れ合った事が、後々の翔の行動に説得力を与える役目も果たしていたように思います。
個人的には、黒乃の恋心の行く末が気になります。
中盤以降は、かなり意表をつく展開も多いですが、伏線が上手く張られていて、そのさり気なさと大胆さには驚かされました。
設定からある程度想像させつつ、そのもう一歩先まで描きました!というパターンと、明かされるまで完全に気付きませんでした!というパターンの両方が楽しめたので、個人的に大満足でした。
2巻も秋頃発売が決定しているそうなので、今から楽しみです。
チラッと登場したキャラや、まだ見ぬガジェット達の事もありますし、方向性と成すべき事がハッキリしているので良作になりそうな予感がしました。
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ガジェット 無限舞台 BLACK&WHITE [九重一木]
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