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狼と香辛料ⅩⅠ(11巻) Side Colors Ⅱ の感想レビュー(ライトノベル)

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電撃文庫のラノベ、『狼と香辛料ⅩⅠ Side Colors Ⅱ』(支倉凍砂先生原作、文倉十先生イラスト)が発売中です。
シリーズとしては11巻目、色をテーマにした短編集であるサイドカラーズ編では2冊目に当たる今巻では、電撃文庫MAGAZINE誌に掲載された短編2本と、書き下ろし中編1本を収録。

表紙は物憂げな表情も魅力的なヒロイン、ホロ。
テレビアニメ第2期も7月より放送が決定しているので、彼女を目にする機会も増えてきそうですね。

収録された短編の内、『狼と黄金色の約束』では賢狼としての知恵を、『狼と若草色の寄り道』ではロレンスとのアツアツぶりを見せてくれるので、彼女のファンの方は必見です。
(*^-^)b

どちらか片方ではなく、その両方が描かれていることで、ホロのキャラクターとしての魅力が余すところなく伝わって来る気がしました。
特に、今回は2人旅のエピソードなので、コルがいる時よりも気兼ねなく甘えたり、甘えられたり、という感じの雰囲気になっているのがニヤニヤでした。
洒落た言葉のやり取りに、お腹いっぱいの幸せ気分が味わえます。
2人とも、ごちそうさまですww
:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

そんなホロとロレンスの楽しげな旅のエピソードと対極に位置する、今巻最大の見所は、その美貌と才能でロレンス達を翻弄した女商人エーブが主人公の書き下ろし中編、『黒狼の揺り籠』。

商人としての嗅覚、経験、豪胆さなど、ロレンスを遙かに凌駕する存在として描かれたエーブは、今作品における『もう1人の狼』とも呼べる存在だと思います。
そんな彼女が、まだ商人として駆け出しの頃に起こったとある事件を通じて、その眠っていた才覚を一気に開花させ、狼となる様子が綴られたエピソードなので、原作ファンなら必見かと。
フルールと呼ばれていた頃の彼女は、
今の『狡猾な守銭奴』、というイメージとはかけ離れた、『貴族気分の抜けないお嬢様』っぽさが感じられて新鮮です。
ミルトンという自分と同じ『元貴族の商人』との出会いから、大きな商談に首を突っ込む事になった彼女は、恋と仕事の両方で充実した時間を過ごすことになるのですが…という展開です。

いや、本編のエーブがあの様な性格になったのを見ているので、一波乱あるのだろうな~という気持ちを持ちつつ、読み進めていたわけですが、まさかここまで辛辣な展開になるとは!と、思わず彼女に同情せざるを得ませんでした。
取引自体に仕掛けられたトリックと、予想外の展開に驚かされる一方、伏線自体は丁寧に無駄なく張られていたことに後で気付いて2度びっくり( ̄○ ̄;)!!という、本作独特の持ち味が楽しめたので大満足でした。

事件が起きた後、それまでの希望が暗転しただけでなく、追い討ちをかけられてしまうフルールの絶望感が痛々しいのですが、そこでとどまらず、むしろそこからが見せ場となっているのが凄いです。
フルールの師匠役であるオーラーの語りや、覚悟を決めた彼女がとった行動と、それに対するミルトンの思惑など、続くラスト部分の怒涛の展開が鳥肌もので、目が離せませんでした。
本編の彼女の商人としての徹底ぶりを補完説明する良いエピソードでした。

エーブという名前の由来も明かされ、ますます彼女のキャラクターとしての魅力が高まった感じだと思います。
もしもあの時ミルトンではなく、ロレンスと出逢っていたなら、彼女の運命もかなり違ったものになっていたかも知れないと思うと、感慨深いですね。
これを読んでから本編を再読してみるのも一興かと。

出演が決定しているアニメ2期でも、彼女の活躍に期待したいですね。

原作ファンの方はもちろん、気になった方は、是非チェックしてみて下さいませ。


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