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『みにくいあひるの恋』の感想レビュー(ライトノベル)

みにくいあひるの恋


MF文庫Jのラノベ、『みにくいあひるの恋』(日日日先生原作、みことあけみ先生イラスト)が発売中です。

表紙はメインヒロインのあひる。
美しくたなびく髪が天使を思わせる様でステキです。
優等生である彼女はクラスメート達からの受けも良い人気者。
そんな彼女に放課後呼び出された主人公の陀衣は、いきなり告白されることに!
それは、彼のことを好きなのではなく、嫌いであることを告げるための告白だった…という、衝撃的な開幕が目を惹きます。

『恋をすると死ぬ病』が実際に存在する世界で出会った2人が、お互いを理解していくうちに出した結論とは?
設定とあらすじを読んだ時点で購入即決め余裕でした!という方も多いのではないでしょうか?

みこと先生のやわらかテイストなイラストも作風に非常にマッチしているので、表紙でビビっと来た方ならより一層楽しめるかと思います。
主人公の陀衣が男の子であるにも関わらず、校内でも指折りの美少女に数えられるくらいの女顔というのも大きなポイント。
長い三つ編みがめちゃくちゃ可愛いので、男にしておくのが勿体無いという気持ちも良く判りますww。

ただ、ラノベや美少女ゲームなどではファンに人気のあるこの設定も、当人である陀衣には悩みの種、自己嫌悪の対象であるというのがこの作品の面白いところかと。
そんな悩みがあったからこそ、あひるとの出会いをキッカケに、『男らしくなりたい』という自身の気持ちに向き合えるようになる陀衣。
主人公が明確な目的を掲げ、それが物語的に自然に、重要な役割を果たすようにと設定が練られているのが好印象でした。
また、丁寧に配置されたキャラの一人一人に、そのキャラ自身が何をどうしたいのか?という行動理念、願いがしっかりと説明されているので、行動の理由が理解しやすく、非常に自然に振る舞っている感じを受けました。

恋をすると死んでしまうという設定により、恋愛がタブー視されるという事は子孫を増やす事が出来ず、何気に人類大ピンチ!な訳ですが、それを回避する手段として他人ではなく、兄妹、もしくは姉弟での婚姻を推奨するという設定がまた斬新です。
実際にはある方法によって血の繋がりが無い兄妹同士のカップリングがなされるため、実妹や実姉と…といった完全な血縁同士にはならないといったあたりの設定も細かくルール付けされているのですが、精神的には家族として一緒に育ってきた2人にとって、そこに生まれた愛は恋愛に近いものなのか?それとも家族としての絆なのか?と、色々考えさせられる深いテーマ性にはうならされました。
義理の妹や姉とウハウハラブコメ展開というのは良くありますが、それが社会通念上推奨されているというのは、現実の世界で考えればかなり歪であると言えるかと。
純粋に兄弟、姉妹をパートナーとして愛し、添い遂げることを願う人々の姿は美しく、『歪でありながら美しい』この世界観こそが、本作の一番の特徴なのではないかと思います。

冒頭のシーンの直後から、あひるの思惑は言葉通りのものとは異なっているという事は十分に判るように描かれているわけですが、男らしくなりたい一心で自分を嫌いなはずと思い込んでいるあひるに近付く陀衣と、以前から女の子のように可愛らしい陀衣の事が好きだったにも関わらず、真実を打ち明けられないままのあひるとのやり取りは、隠している、隠されているという事がある分、楽しげに進んでいくのと同時に、少し残酷な側面もあると言えるかと。
陀衣の鈍感属性や、あひるのツンデレ風セリフの効果もあり、和気あいあいというイメージが強いのは間違いないですが、あひるがどの様に本心を打ち明けるのか、そして陀衣がそれをどう受け止めるのかが気になって、ページをめくる手はかなり早かったと思います。

あひるを案じて突飛も無い行動に出る姉気分の遊菊、陀衣にゾッコンの妹、茜子と、その親友の吟が兄を想う気持ちなど、周りを取り巻く関係性についても上手く描かれていて良かったです。
伏線的な意味合いも込められている分、説得力は高かったと思います。

起承転結の承に当たるそれらのエピソードを丁寧に描いた後、転の部分で一気に加速!しかる後に結部分で伏線をしっかり回収と、ライトノベルの書き方のお手本となるような手堅い作りには好感が持てます。

エピローグ部分でオチを印象付けるのが上手いな~と思わせた後で、ちょっとしたサプライズも用意して次巻も続きます!とつなげるコンボもニヤニヤでした。これは楽しみな展開かと。

心理描写に力を入れたとあとがきに有るとおり、キャラの思考の過程や、相手に対する感情の部分についての描写は特筆もので、違和感がありません。
キャラとキャラがキチンと向き合っている感が良く出ているので、ラブストーリーに必要な心の機微の部分については十二分に堪能出来るかと。
特徴的なキャラ毎のセリフの口調効果も相まって、個性的で魅力的な仲間達の中で過ごす陀衣の日常が、とても賑やかで眩しいものに感じられて良かったです。

『自由恋愛の否定』という奇抜な設定を、一発ネタに終わらせない巧みな構成は一読の価値あり!
o(^▽^)o

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みにくいあひるの恋/日日日

みにくいあひるの恋 (MF文庫J)日日日メディアファクトリー 2009-08-21by G-Tools 「あんたのことが嫌いだから」優等生で知られているあひるに、そう宣言された陀衣。自分のことが好きではな…

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みにくいあひるの恋

みにくいあひるの恋 (MF文庫J)(2009/08/21)日日日商品詳細を見る

◆基本データ
著者:日日日
イラスト:みことあけみ
出版:MF文庫J
初版:2009/8/2…

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